「囲碁にまつわるちょっといい話」
受賞者発表
| 最優秀賞 | 優秀賞 | 佳作1 | 佳作2 |
| 最優秀賞 最優秀賞賞品 30,000円分の商品券 「大好きな兄」 (刈谷市 諸鍛治麗様) |
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大好きな兄 私が小学五年生だった頃、大好きな兄が東京に行ってしまった。私と兄の性格は正反対。兄は囲碁などじっくり考えることが好きだ。私はどちらかというと、体を動かすことのほうが好き。また、年の差が八もあり、会話はあまりしなかったがとても仲がよく、いなくなってしまった時はとても悲しかった。 姉は兄がいなくなった後も、携帯などで連絡を取りあっていたが、私は共通の話題がなくほとんど連絡を取らず、連絡したとしても業務連絡ぐらいだった。また兄が盆や正月に帰ってきたときも、会話も無いまま時間ばかりが過ぎていき帰ってしまう。 私が中学一年生になり、入学式後の部活紹介を見ていたとき、『囲碁部』というのが目に入った。ふと、兄のことが目に浮かんだ。兄も囲碁をやっていた、私も囲碁をやろう。兄ぐらいうまくなって兄と囲碁をやろう、そう思い私は『囲碁部』に入った。 しかし実際、そう簡単に上手になるものではなく、兄と互角になるどころか、なかなか十三路盤の域から抜け出せなかった。一年かけてやっと十九路盤になり、十八級を取りに行ったが全敗し、自分には囲碁は向いていない、やめようかと思っていた頃、兄が帰ってきた。 兄は私が囲碁を始めたと知り、とても喜んだ。しかし、私が全然出来ないと言うと手取り足取り教えてくれた。 そのあと兄と私が四子置いて勝負をした。 会話こそしなかったが、心では会話をしていた気がする。 その後二十三級、十八級を全勝で取り、そのたびに兄に報告した。そのたびに兄は喜んでくれた。 私はこれからも囲碁を続け、兄と互戦で勝てるようになりたい。
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| 優秀賞 優秀賞賞品 10,000円分の商品券 「囲碁バンザイ」 (一宮市 後藤邦江様) |
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囲碁バンザイ 「囲碁教室に一緒に行ってみないか?」 と突然主人に言われ「えっ?」と絶句。 しばらく声が出ませんでした。 結婚して早三十六年、一緒に何かをしようとするのは結婚式のケーキカット以来の事。 囲碁のいの字も解らない私にとって心の動揺には大変なものが有りました。と言うのも我が家には九十歳を過ぎた主人の両親と同居で、別に八十台の私の母と九十台の叔母計四人の老人介護の真っただ中です。「どうしようか?」と、さんざん迷っている私の事などそっちのけで主人は、囲碁の魅力をどんどん語り始めました。 その内にやってみようかな?という気持ちが高まり、夕食の時に両親に向かって「囲碁教室に行きたいのですが?……」と、恐る恐る伺ってみると、何と、「行ってきなさい、そんな素敵なことぜひやるべきだ」と言って快く私の背中を押してくれました。 主人はニコニコ、私はドキドキしながら門をたたいて、はや五年の年月が流れました。 石取りゲームから始めて九路盤、十三路盤と先生にはさんざんお世話をおかけしてやっと、十九路盤で何とかという状態で、今でも教室の皆様には大変ご迷惑をおかけしています。私は周りの優しさに甘えつつ、週一度老人介護から解放される時間を主人が作ってくれたことに、今はとても感謝しています。 そして、囲碁のおかげで「ちょっと待てよ?」とか、「ここは譲ります。」「いや、ここはあきらめない!」など、以前より考える自分になったことに気付きました。 それがまた四人の老人介護をするにあたり非常に役に立っているのも事実です。 “ゆとり”という言葉が私の人生の中で、かすかに見えてきたような気がする今日この頃です。「囲碁バンザイ!」です。 |
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| 優秀賞 優秀賞賞品 10,000円分の商品券 「一輪のバラ」 (名古屋市 貴更 様) |
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一輪の赤いバラ 囲碁のサークルにはいっています。名前が交碁縁会。ご縁がありますね、と碁の縁をひっかけた上に、交互に打つの交互と、交流する碁会をひっかけた、ちょっとしゃれの多い名前のサークルです。 その会の会員の桜子さんのおうちで、テーブルの上の一輪の赤いバラについて、そのエピソードを教えてもらったときのお話を書きます。 桜子さんは、結婚して囲碁をはじめられました。まだ新婚時代に、夫婦で何をして遊ぼうかと、いろいろやられたそうです。ご主人の柾さんは、学生時代に少しだけ囲碁を覚えたということで、休日は二人で囲碁を打つ習慣になりました。 しかし、二人ともプロのてほどきをうけるわかでもなく、ただやみくもに打っていたので、めきめき上達することもなく、何年もたってしまったそうです。 交碁縁会に二人ではいられたときも、二人とも級位者でした。 交縁碁会では、段の方もたくさんいるので、それぞれが指導碁をうけたり、食事の会に参加されたりしていましたが、他人と打つ楽しさを知り、会のメンバーに誘われて、他市との交流試合に出たりと、だんだん趣味の輪がひろがっていったようです。 今年、会の人の勧めで、はじめて桜子さんが地方の大会にでてみました。クラス別なので、私と桜子さんは違うクラスでの出場でしたが、会場は一緒だったので、お互いにはげましあいました。長く続けてきたわりには、あいかわらずの級位者なので、自信のない桜子さんは、ひどく緊張したそうですが、柾さんの「自然体で打てばいいんだよ」という言葉にささえられて、なんと優勝してしまいました。 大会が終わっての帰り道、桜子さんはいろんな思いが胸にわきあがってきたそうです。 夫婦とも、囲碁を打つ知り合いは何名もいるそうです。しかし、夫婦で対局するカップルは、ほとんどいないそうです。それは、すでに強くなっていまっている夫をみて、妻が囲碁をはじめるのですが、夫は弱すぎる妻とは対局をしないケースが多いらしいのです。 桜子さんのところとて、はじめは夫に9子置いて学んだそうですが、柾さんは、ときどきは負けてくれて、負けると置石をへらしてゆき、お互い級位者だけれど、今は2子から3子までの対局で楽しんでいるらしいのです。 「今まで、交縁碁会のおかげで少しずつ強くなってきたと喜んでいたんだけれど、今回わかったの。私がここまでくるのを、じっと支えてくれた夫が、やっぱり最高のお師匠さまだってことにね」 桜子さんは帰り道の花屋さんで、お師匠様への感謝の気持ちをこめて、一輪の赤いバラを買ったそうです。 でも、本当は、その赤いバラより、優勝を決めたときの、桜子さんの涙目の笑顔のほうが、私はきれいだと思ったんですけどね。 |
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| 優秀賞 優秀賞賞品 10,000円分の商品券 「囲碁はやめられない」(名古屋市 スッチィ@バンド危機管理 様) |
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囲碁はやめられない! 趣味を三つもっている。すると多趣味ねぇと言われることもある。けれど、実際に続けてみると、ひとつだけ困ることがある。調子が悪くなると、ストレス発散どころか、蓄積なのだ。 特に、囲碁は勝ち続けたと思ったら、今度は一転して負け続けに突入。夫との対局で、私のバイオリズムは、実はバレバレになる。 そこで、ストレス発散は、バドミントンでのやけスマッシュと進路変更をするのである。 私の趣味、囲碁、ヴァイオリン、バドミントンは、どれも十年以上続けているけれど、不思議と共通点がある。三つに共通するのが「肩の力をぬいて」なのである。そしてもうひとつ「読み」が大事なのだ。ヴァイオリンは、いまだに譜面が読めない。バドミントンも、ゲーム進行には、読みは必須なのだ。 こんな私でも、囲碁をはじめてから、少しだけ、人の気持ちを読めるようになってきた。 人の気持ちをある程度読めると、仕事などは非常にスムーズにすすんでゆく。 仕事は、最重要事項は人間関係といってもいいくらい、うまくやってゆくにが大事だとも、大変なのだとも思う。 そんなふうに思うようになってきたのも、実は三つの趣味のうち、囲碁仲間とすごす時間が、一番心地よいからだ。全部話さなくても、なんとなく理解してもらえる。こちらが希望したことを、相手がさくさく動いてくれる。こんな心地よい場所はそうそうない。 一方で、人間は優しくても盤の上では鬼と変わる人もいる。このアンバランスな魅力は、なかなか他では経験できない。 また、囲碁を打つ人で、非常に知性も高いながら、教養豊かで、芸術面にもいろいろと詳しく、達人である人も多い。囲碁会のあとの食事会では、いつもいろんな話に花が咲き自分の知らなかった新たな世界へと案内をされるのも新鮮な驚きだ。 かつて、棋院で何度かこどもたちとも対局をしてもらったけれど、礼儀正しい子が多いのも、うれしい効用だと思う。 あと、囲碁のすばらしいところは、ハンディがきちんとしていて、棋力が違おうが、年齢が違おうが(大人対こどもでも)、国籍が違おうが、きちんと対局ができることだ。 そして、インターネットが普及して、さらに楽しみが倍増した。 私が今一番楽しいのは、ネットでのんびりと、打てる連碁だ。段の人から級の人までがふたつのチームに分かれて、一日か、二、三日に一手くらいのペースでゆっくり進行してゆく。なにしろ、住んでいるところもバラバラだから、今日はこちらは晴れていますとか、雪が降りましたとか。こちらでは、桜が咲きはじめましたとか、今は五山送り火の真っ最中ですとか、風流なコメントもうれしい。 これからの日本、高齢者がふえるけれど、自宅にいながら、いろんな人と対話しながらゆっくりと勝負を楽しむ、そんな素敵な趣味は、そうそうないと思う。 私自身は、まだまだプロの棋士の棋譜を並べたり、プロの対局を見てなるほどと思ったりするレベルにはほど遠いけれど、いつかそんな日がきたら、もっともっと楽しいのだろうなぁと思いながら、今日もネット対局に一手を入れる。 こどもの大会で、初めて対局したのに終わってすぐにお友達になってる姿をみるとこちらまでうれしくなる。 同じ趣味をもち、棋風が似ていたりすると不思議と親近感をもつのかもしれない。 十九路が時間がかかるなら、九路という盤もある。これがまた、すぐに死活にかかるのであなどれない。最近は、九路盤と石とのセットで、和風な布でくるくると巻いて簡単に持ち運びのできるものもあるらしい。たまにはお天気のよいときに、公園でのんびり風にあたりながら、碁を打つのもいいかもしれない。 対局時計を使った十分碁というのも経験したが、まったくスリルにとんでいる。なにせ一手五秒くらいで決断するので、形に明るい人が有利。 ペア碁というものもある。バドミントンのミックスダブルスだと、女性が標的になったりするけれど、ペア碁はだいじょうぶ。女性、男性と、交互に打つのだ。 さらには、おそるべし。某囲碁教室で、こどもと、先生が、白白碁を打っていた。これは、本来黒と白で打つものを、全部白石で打ってゆくので、どこが黒か覚えていないと打てない。 こんなふうに、いろいろな楽しみ方ができる囲碁は、本当にすごい! 囲碁にちょっとでも興味をもったあなた、ぜひ、囲碁をはじめてみませんか? 囲碁人口がふえて、いろんな人と知り合えるのも、これからの人生の楽しみのひとつ。 まだまだ、囲碁はやめられません。 |
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